2014/01/04

出雲・真名井での町内会デビュー

 平成26年、新年あけましておめでとうございます!
昨年の神在月より近江から出雲に移住し二ヶ月が経ちます。私達は、大社町の真名井地区町内会に入会させて頂きました。真名井地区は出雲大社の神職の社家がいくつも残っている地域で、町内でお守りしているのが出雲大社摂社の命主社です。
命主社とムクの木(樹齢1,000年)
 この神社の正式な名称は「神魂伊能知奴志神社(かみむすびいのちぬしのかみのやしろ)」といい天地開闢(世界の始まり)の造化三神の一柱、神皇産霊神(かみむすびのかみ)が祀られており、かつて背後に巨岩があったことから古代の磐座(神の御座所)が神社に発展した例として貴重な神社と言われています。寛文の造替にあたってこの巨岩を石材として切り出したところ、下から弥生時代の銅剣や銅矛、勾玉などが発見されました。命主社の裏は、荒神さんが祀られています。町内会では、11月初旬の命主社例大祭前に、長さ16mもの蛇縄を結って、荒神さん横のもみの木に巻き付けます。


命主社例大祭
荒神さんの例大祭
もみの木に巻かれた蛇縄
さらに奥に行くと、美人岩と呼ばれる三角状の大きな磐座が鎮座しています。
美人岩
 真名井地区の名称の由来は、出雲大社より 東へ500mほど行った処の湧き水、真名井の清水です。この清水は、出雲大社の神事に関わる神聖な水として知られ、古くから地域の人たちの生活用水にも利用されていて「神水」としてこの清水を汲みにくる人も多く島根の名水百選に選ばれています。
真名井の清水

1月3日、吉兆(きっちょう)神事に参加させて頂きました。

「吉兆さん」と呼ばれ親しまれている伝統神事は、地元大社町の氏子たちの奉仕で賑々しく執り行われます。「歳徳神」と刺繍れた6メートルもの大きな幟旗を立て、新年を祝う「大社神謡(しんよう)」を歌って一年の幸せを祈り合います。吉兆神事のはじまりは江戸時代中頃には行なわれていたようで、大きな幟旗は1年の福徳を司る歳徳神の依り代です。正月の風物詩として金襴の神楽衣装を身に付け、鬼の面をかぶった「番内(ばんない)」が吉兆行列を先導します。この番内は新年の除災招福を担う役割を持ち、厄年の男性などが番内に扮します。 
 真名井の町内会は、「北御領分」と呼ばれ、子供番内が特徴です。はじめに命主社の隣の神徳館に集まり、そこから出雲大社本殿前、神楽殿、千家国造家、北島国造家、古代出雲歴史博物館、そして町内を練り歩き町内会長の家、最後に命主社の神徳館で終了となります。例年、正月は雨が多く、とても寒い中の神事が行われるそうですが、今年は穏やかな天候に恵まれました。
命主社横にある神徳館に集まり神事の準備をする
神徳館の掛け軸と正月のお供え

幟旗を立てる台座車
幟旗を付ける

八雲と日の丸の飾り
立てられた幟旗
神徳館前で最初の大社神謡の奉納
社家通りを歩き出雲大社へ向かう
社家通りを歩き出雲大社へ向かう
出雲大社本殿前で大社神謡を奉納
神楽殿前で大社神謡を奉納
千家国造家前で大社神謡を奉納
北島国造館へ向かう
吉野川を渡り北島国造館へ向かう
北島国造館で二度、大社神謡を奉納
町内を練り歩く
同じ町内である古代出雲歴史博物館前で大社神謡を奉納
弥山を望む小道を歩く
最後に命主社に向かって大社神謡を奉納
新年の祭典を終え直会
 吉兆神事は、とても清々しい神事でした。出雲の真名井に移住したことから、出雲大社の氏子になったこと事態がとても不思議に思えます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
                 須田郡司 拝