2009/08/25

オランダ、子供も戯れるhunebedドルメン

8月21日

アイルランドのダブリンからドイツのデュッセルドルフに飛び、しばらく今後の石巡礼を検討している時、妻はインターネットでオランダ最大のドルメンが近くにあることを見つけてくれた。今回は北欧行きを断念し、急遽、オランダのボルガーにあるドルメンへ向かった。
デュッセルドルフ中央駅から電車で4時間あまりでオランダ北東部のエンメンに到着。バスに乗り換え20分ほどでボルガーの町に着いた。ここは緑豊かな美しい町並みの景観が実に多い。町の案内版を見ると、いくつものドルメンの表示が記されていた。
さっそく、hunebedと呼ばれるドルメンに向かう。このhunebedドルメンは、オランダ最大のドルメンと言われ、今から5000年ほど前の先史時代に造られたものだ。
ドルメンは、町の中心から10分ほど歩いた森の中にあった。その近くにレストランが併設されたhunebed情報センターがあり、そこには書籍からお土産品まで豊富な種類の品々が並んでいた。
 私は、ドルメンルに近付き撮影を試みようとした。しかし、そこには家族連れの人達がいて、なかなか石から離れようとしなかった。テーブル状の石の上には子供たちが乗って遊んでいるではないか。親たちは、石の上に乗っている子供たちを一生懸命カメラに収めている。

この光景を見ていると、撮影するのには困ったが、これほど人々に親しまれているドルメンも珍しいと思った。子供はもちろん、大人までもが童心になって喜んでいるのがわかる。
 その日は、ボルガーの町にあるB&Bに泊まることにし、チェックインをして夕景のドルメンを撮影する。

 翌、早朝のドルメンを見てから我々は自転車を借りて、ボルガーの他のドルメン群を巡ることにした。 途中、雨に降られたがすぐ晴れて、サイクリングはとても快適であった。




森の中、草原の中、巨木に寄り添うドルメンなどを見ながら、この石がどのような役割があったのかと想像する。祭祀、儀式、観測・・・? 妖精や小人が住んでいるような雰囲気もある。 個性的なドルメン群を見ていると、もしかしたら、古代の人々も石と戯れていたのではないだろうか。驚くことに、このボルガー近郊をはじめ、オランダのもならずドイツ側にも数多くのドルメンが点在していることだ。
hunebedドルメンは、森に佇むだけでなく今でも多くの人々と交流をしている。
Hunebed情報センターの看板の絵を見て、「三つの石の影が、親子を現しているね。こんな発想ができるオランダ人はすごい。」そう妻はいった。

巨石文化に対する認識や考え方など、オランダから学ぶべきものがあるように感じる。

                    ドイツ、ヴェルニゲローデにて 郡司 拝