2009/07/09

岩上の修道院、ギリシャ正教永遠の聖地~メテオラ

 7月7日
テッサロニキから列車で約3時間、メテオラの拠点の町カランバカに到着した。ホームに下りると、町の背後に巨大な岩山が聳えていた。ようやく、ギリシャ正教の聖地・メテオラにやって来たことを実感した。
カランバカの町は、観光地としてかなり洗練されている感じで、レストランは多くの観光客で賑わっていた。我々は、事前に決めていたホテルにチェックインすると部屋のベランダから修道院が建つ岩山が見えた。
それにしても凄い山だ。久しぶりに岩山を見て興奮してしまう。買い物をして、さっそく岩山に向かう。
ホテルの裏道を上ってゆくと岩山の真下にいくつかのゲストハウスがあり、オリーブ畑を通り過ぎると登山道になった。

所々、道の背後に巨石が転がっていた。
見上げると、岩山のでかいこと。こんな岩山の上によく修道院を造ったものだと驚いてしまう。
登山道は、途中から石畳になり30分程で岩山の上に出た。そこから、カランバカの町並みが見下ろすと、統一された赤瓦の屋根が美しく広がっていた。
  アギア・トリアダ修道院 

    アギオス・ステファノス修道院
  起立する巨岩
聖メテオラは、ギリシャ正教にとって聖アトス山の次に重要な聖地とされている。ここに最初の修道院ができたのは14世紀の初めで、当時は24の修道院があったという。しかし、今では多くの修道院は廃墟となり、見学できる修道院は6つのみだ。その当時の岩山に建つ修道院をイメージすると、壮大な岩の聖地だったことが想像できる。
 翌朝、9時。カランパカ発のバスでメガロ・メテオロン修道院に向かった。山道はくねくねとして途中、多くの巨岩が林立していた。この修道院の創建は1356年で聖メテオラの中心的な存在で、さっそく中を見学する。博物館のように整然と展示され、そこからの景観は絶景であった。
  メガロ・メテオロン修道院
  メガロ・メテオロンの入口
  聖メテオラを象徴する絵画
   食堂の間
    巨大な木樽
     髑髏の部屋
  メガロ・メテオロン修道院からの光景
  ヴァルラーム修道院
標高586mの修道院からの景観は絶景で、修道僧たちはこの天に近い環境の中で祈りと瞑想を続けてきたのだ。岩の聖地は、人間により研ぎ澄まされた精神性を与えてきたのだろう。
聖メテオラの修道院は、ビザンチン時代後期、トルコ時代に迫害を受けたキリスト教修道僧たちによって500mあまりの岩山の上に聖域を造った。

     ルサヌー修道院と巨岩
メテオラで多くの巨岩を見ていると、岩は宗教を超えた聖地性を持っている、そう強く感じた。
 
              ギリシャ、アテネにて  須田郡司 拝