2009/04/10

モンゴルの大地母神・エージハド

 モンゴル石巡礼の最後に選んだ場所は、岩をご神体として信仰されるスピリチュアルスポット・エージハドだ。

エージハドとは母親岩の意味で、この岩はマザーロックともビッグママとも呼ばれ、誰の願い事をも叶えてくれるという。

当初、エージハド行きのバス発着場を探したのだが看板がロシア語で分からず、英語も通じず半日かけても見つからなかった。そこで、車を借り切って行くことにした。

4月9日、我々はタクシーをチャーターしウランバートルから南へ約100kmにあるエージハドへ向かった。

草原を見ながら40kmほど走ると舗装がなくなり、オフロードになった。でこぼこ道で車はかなり揺れる。

いくつかの峠を越えると、アヴォーと呼ばれる石積みの中に松葉づえが置かれていることに気づいた。



一体、これは何なのかと思いドライバーに尋ねると、一度、怪我をした人が治った後に怪我をしないように松葉づえを奉納して祈願をするという。

時折、草原の風景の中に羊、馬、牛たちが入れ替わりながら3時間ほどでようやくエージハドに到着した。



エージハドは、円く囲まれた塀の中に鎮座していた。

その石は人間のような形をしていて、オレンジの服を着て、黄色の帽子を被り、腰から下に青い布が巻かれている。

なんとも存在感に溢れ、青森の石神様の雰囲気を感じさせた。

巡礼者たちは、次から次へとエージハドに身をゆだね一心に願い事をしていた。



ドライバーは、一緒に連れてきた娘さんとお参りをはじめた。お香を焚き、クッキーやキャンディーのお供えをし、ハダックと呼ばれる青い布をエージハドに結び願う。その後、周囲を回りながらミルクを掛け、米と粟を撒くのだ。そして、二か所のアヴォーを同じように巡拝し、最後にドックストーンと呼ばれる石にやってきた。




この石は、とてもパワーがあって身体を癒してくれるというのだ。ドライバー親子と妻は、楽しそうに石の上に横たわっていた。


このエージハドは、モンゴルの聖なる場所として数百年もの前から信仰されているという。

近年では、宗教や民族を超えて多くの人々がここを訪れるようになり、かなりの人気スポットだというのだ。

それにしても、悪路のなか車で往復6時間とはかなりハードであった。


私は、この岩神さまに額をつけ世界石巡礼が全うできることを願った。

エージハドは、まさに大地母神が岩神と化し、この世の救済に現れたような印象を持った。そして、その周りのいくつかの奇石の役割に興味深いものがある。

そう、奇石は奇跡をあたえるのだ。


                         再びソウルにて     郡司拝



追伸:今後の予定

4月11日、ソウルからフェリーで青島に入り、426日まで中国の石を訪ねます。